2016年6月20日月曜日

2016年6月10日金曜日

雨の日に思い出すこと




降り出した雨の中、

傘を持たない人が

屋根を探しながら

小走りでジグザグと

あっという間に

遠くの方へ。

そのような光景が

印象的だった今朝。




大きな傘の安心感に包まれ

変化していく雨の音色を

楽しむように

ゆっくり歩くわたし◎



もう一本傘を持っていたら、

あの女性に・・・

そんな惜しむ気持ちがあるものの

自分の傘まで譲ろうとは

なかなかできない

自分を客観的にみながら、

ふと、あることを思い出しました。



平安時代から続く京都の老舗茶店で

高校時代にアルバイトで

お世話になっていました。

そこの女将さんはとても厳しいお方でした。

女将さんというより

職人さんのようなお方でした。

でも困っている人には、

ちいさな事でも手を尽くすお方でした。



突然雨が降ったりすると

傘を持っていないお客さんに

傘を差し出して、こう言って

見送っていらっしゃったお姿は、

なにかの拍子に私の脳裏をよぎります。






どうぞ持っていっとくれやす~

もし雨が止んだら、
どっかに立て掛けといたら
ええだけのことどす~

そしたらまた雨が降ったときに
別の人が使わはりますやろ~

気にしんかて、またいつか巡りめぐって
うちんとこに戻ってきはりまっさかい~

そういうもんどすえ~





創業1000年以上の老舗店の

暖簾を守ってこられた女将さんの

言葉を超える生き様のようなものを

みていたように思います。



お客さんが傘を受け取りやすいように

お伝えになったお言葉でしたが、

そこには 『信』 という言葉が

あったように想います。

その後、どのように傘を扱うかは

あなたに委ねます。と

お任せします。と





『信』 がうまく廻ると

きちんと巡るんやと。

損得勘定ではなく

『真』 を

ちゃんと見なあかんねんで、と。




雨の日はそんなことを思い出すのです。